旦那様は社長 *②巻*
タマコさんは相変わらず絶対安静だけれど、今のところ大きな発作もなく毎日を活き活きと過ごしている様子。
タマコさんとはメル友になって、ほとんど毎日メールのやりとりをしている。
会長は完全にタマコさんの尻に敷かれているけれど、タマコさんと二人で過ごす時間をとても楽しんでいるようだった。
そして会社では……。
「藤堂さん、藤堂さん!」
朝会社に来てみると、藤堂さんが社長室のソファーの上で熟睡していた。
きっと昨日の夜からここに泊まっていたんだろう。
何度も名前を呼んで身体をゆすっていると、藤堂さんが半分寝ぼけてあたしの後頭部に手を伸ばした。
「きゃー!」
「んー。レミカ……、もう一回」
あたしを他の女と完全に間違えている藤堂さんが、あたしの顔をグッと引き寄せようとして、あたしは思いっきり藤堂さんに頭突き。
「痛てっ!」
「痛ッ!」
二人して頭をさすりながら、顔を見合わせる。
そこでやっと藤堂さんは意識を取り戻したようだった。