旦那様は社長 *②巻*

「あたしは悪くない!」


「どうだか」


悠河はそう言ってあたしの首筋に顔をうめ、カリッと歯を立てて噛んだ。


「んんッ!」


悠河はそのままあたしの後頭部に手をまわして、せっかくアップにしていた髪をパサッと解く。


そしてそのままあたしに激しいキスをして、身体の力を奪った後、クルッとあたしの身体を反転させた。


「え……?」


「今日はお前、そうやって後ろ向いてオレの好きにされてろ」


「ちょっ、ダメだって!ここ、会社」


「ここには誰も来ねーよ」


「でもっ、あっ……んんッ」


悠河に強く胸を掴まれたかと思うと、同時に身体を深く繋がれて、あたしは何も考えられなくなってしまった。


両手を掴まれているから、声を塞ぐこともできなくて。


自分の甘い女の声を聞いていると、どんどん理性が飛んでいく。


「悠……河……ッ」


悠河の名前をあたしが呼ぶ度に、どんどん悠河自身の余裕もなくなっていくのか、部屋に響く椅子の音が、どんどん小刻みに変わる。


頭が真っ白になりかけた時、耳元であたしの名前を呼ぶ、悠河のとても色っぽい声が聞こえた。


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