旦那様は社長 *②巻*
しばらく続く沈黙。
あたしは繋いだ手を握りしめたまま、社長の言葉を待った。
社長…お願い……
……素直な気持ちを聞かせて?
重々しい空気の中ーー
「光姫…オレは……」
とうとう社長が口を開いた。
でも次の瞬間。
会長が信じられない言葉を口にする。
「光姫さん…しきたりに従えぬと言うのなら、残念じゃが…有栖川の人間として認めることはできんの…」
「……え?」
認めることができない?…それは…つまり……
「悠河と離婚してもらいたい」
「か、会長?!」
社長がバンっとテーブルを叩いて立ち上がる。
その瞬間、繋がれていた手も…離れてしまった。
あたしの頭はひどく混乱していて。
今のこの状況が呑み込めないでいる。
「……離……婚……?」
確かにそう聞こえた。
でも……
ウソ…だよね…?