旦那様は社長 *②巻*


「………」


違うよ社長。
社長は何も悪くないーー。


あたしが分かってなかっただけ。
社長と結婚する……って意味を。


ただ好きな気持ちだけで……社長の側にはいられないんだよね?


色んなことを背負って行かなきゃいけないんだ。


今あなたが背負っているモノを…あたしも一緒に守って行かなきゃダメなんだーー。


ごめんね?


あたしには……
その覚悟が足りなかったみたい。


あたし……
有栖川の嫁として…やっていけるかな?


「……光姫?」


いつまでも黙り込むあたしに、社長は少し不安になってしまったのかもしれない。


俯くあたしの顔を下から覗き込みながら、今にも泣き出しそうな……
そんな顔をしている。


「社長……」


そんな顔をさせているのは…あたしよね?





「ごめんなさい」



< 84 / 409 >

この作品をシェア

pagetop