旦那様は社長 *②巻*
「………」
違うよ社長。
社長は何も悪くないーー。
あたしが分かってなかっただけ。
社長と結婚する……って意味を。
ただ好きな気持ちだけで……社長の側にはいられないんだよね?
色んなことを背負って行かなきゃいけないんだ。
今あなたが背負っているモノを…あたしも一緒に守って行かなきゃダメなんだーー。
ごめんね?
あたしには……
その覚悟が足りなかったみたい。
あたし……
有栖川の嫁として…やっていけるかな?
「……光姫?」
いつまでも黙り込むあたしに、社長は少し不安になってしまったのかもしれない。
俯くあたしの顔を下から覗き込みながら、今にも泣き出しそうな……
そんな顔をしている。
「社長……」
そんな顔をさせているのは…あたしよね?
「ごめんなさい」