旦那様は社長 *②巻*
「子供だって…作ろうと思わなくていいんじゃないか?」
「……え?」
「オレたちは愛し合ってるからお互いを求める。だからその証として……子供ができるんだよ」
社長のこの言葉は、今のあたしの胸に響いた。
「だからさ、光姫。子供作るためだけにオレはお前を求めたりしない。お前がほしいから…だから求めるんだ。それだけは……覚えとけ」
「悠河……」
初めて会社で名前を呼んだ。でも…自然と口をついて出たんだ。
なぜか急に名前を呼びたくなったの。
そんなあたしの頬を温かい優しい手が優しく撫でる。
そしてあたしは、その手を両手で包み込んだ。
“離れたくない”
その一心で。
「しばらくはお前に辛い…苦しい思いをさせるかもしれない……でも、それ以上の安らぎをお前にやるよ。オレの全てをお前にやる。だから…オレを信じてついてこい」
そう言うと、社長はあたしの頭をグイッと自分の胸に引き寄せた。
「ぜったい幸せにする。後悔なんかさせない。だから…ついてきて…くれないか?」
「ふっ…なんでそんな弱気なの?さっきの悠河はすごくかっこよかったのに」