線香花火
何度思い出したって、何度ああしたら、と悔やんだって、過ぎた時間は変えられない。
充分過ぎるほど解っていても、あたしの思考は堂々巡り。
さりげないサユリちゃんの気遣いのおかげで、あたしは高めのテンションをどうにか維持して、時間をやり過ごしていた。
夏祭りは、サユリちゃんと過ごす日の、最後の日。
だからこそ、誘ってくれたんだと思う。
……っていうか、この状況って普通行くよね。
それなのにあまり気乗りしないのは、あたしが去年のシガラミにとらわれたままだから──…。
自分で蒔いた種、自業自得、なんて言葉が駆け巡る。
その通り、だけど。
そう簡単に、割りきれるものでもない。