線香花火
謎の行動に戸惑いながらも、列の最後尾に並んだ。
空は快晴、待っている間もジリジリと日射しが肌を焼く。
そういえば日焼け止め塗るの忘れたな。
何味にしようか悩んでいると、前の人がいなくなり、ふいに屋台の中の人と目が合った。
「あれ、幻覚が」
この夏祭りは、近所の小学校が主催している。
とはいえ外部からもいろいろな人たちを招いて、結構大規模になる。
前通っていた中学校からも、吹奏楽部が出演してたし。
んでもって、屋台なんかは役員のひとだとか、地域のナントカ会みたいなとこがやっていたりする。
あたしを見て、幻覚、と言った彼女は、どうやら親の手伝いをしてたようだった。