線香花火
「陽子、いつまで遊んで……って、あれ、さっきの」
「痛いー!」
陽子ってのは、ヨウちゃんのコト。
現れたのは、彼女の父。
またも頭を叩かれて、ぼやく彼女はどうやら門限をシカトし遊んでいたようだった。
「ごめんねー! また遊ぼーね!」
……今何時だろう、あたしも帰ろうか。
サユリちゃんも帰ってるかもだし……。
手を振りながら、考えていた。
けどどうせだから、花火も見て行こうか。
去年も結局、花火はろくに見れなかったし。
せっかく綺麗に見える場所を知っているのに、見ないのも勿体ない。
秘密の場所。