私の道 ―(実話)―
そのあと、処置室で一晩かけてゆっくりと子宮口を開かせるラミナリアという物を挿入されて、そのまま病室に連れて行かれ入院した。



病室には、同い年くらいの女の子が一人いた。

身の回りの物をカバンに詰めて、帰るしたくをしてるようだった。



「ねぇ、あなたも堕ろすの?」

突然、話しかけられて驚いた。




「あなたもって…?」

「私は、これから手術室へ行くの」

「………」

「辛いよね、本当に…。じゃあね」


複雑な表情を浮かべて病室を出て行った。

同じ気持ちなだけに、なんて声をかけたら良いかわからなかった。



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