もしも、僕らが
俺は、左隣を見た。
そこには、必死に授業内容をノートに書き込むイズの姿。
暑すぎるのか、髪を高い位置で一つに束ねている。
俺は飽きることなく、そんな彼女をじっと見つめた。
古いチャイム音がなる。
その瞬間、先生はふぅっと息を吐いた。
そして、大きな声で怒鳴るように言う。
「はい!!起立!!礼!!」
ありがとうございましたー。
3人の声が教室に響いて。
先生はさっさと教室から出てしまった。
「ねー、郁。ここの計算、どうすんのさ」
ノートのある部分を、人差し指で押さえて。
イズは訊いた。
俺は、懇切丁寧に教えてやる。
「だから、そこはさ・・・」
「・・・あ、なるほどね」