もしも、僕らが
居間からは明かりが漏れているものの。
玄関と居間をつなぐ廊下は薄暗い。
家は木造の古い一軒家で。
以前は俺の曾じいちゃんたちが使ってたそうだ。
不意に、居間から何かが飛び出してきて。
ぶつかった。
俺よりも、小さな誰か。
その誰かが、顔を上げる。
顔を上げた瞬間、俺は何を言っていいのか分からなかった。
「・・・・・小夏」
小夏はいつもと変わらないように見えた。
ただ、一つのことを抜いて。
「お前・・・なんで、泣いちょんの・・・・・??」
俺とよく似た顔の頬には、雫が光っていた。
どちらかというと大きめの目を、妹は余計に広げた。
「・・・兄ちゃん・・・」