もしも、僕らが




母さんはそれだけ言って。




俺に背中を向けて、居間へ向かって歩いていく。
俺は大人しく、その背中を追った。




居間の中には、小夏以外の家族全員が揃っていた。




俺の家はそれなりに大家族で。

俺には小夏のほかに小学校1年の双子の弟、4歳になった妹が居る。



その全員が、親父を中心にして、丸くなって正座で座っていた。

母さんも、その輪に加わる。

ひとつだけ、ポツリと穴が開いていた。




多分、小夏が座っていたんだろう。






「・・・座れ」






父さんの低い、声がした。

みんな、顔を俯かせている。



・・・なんか、雰囲気違いすぎない??



いつも家はみんな、仲良くて、
笑いが耐えない家なのに。



今日の空気は重苦しくて、苦々しい。






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