もしも、僕らが





母さんの言いたいことは、よく分かっていた。




5人も子どもがいるんだ。
これからお金がたくさんかかるのは分かっている。


だからこそ・・・。



・・・でも、そんなの、だからと言って
「はい、そうですか」なんていえるわけがない。





「5日後だ」





父さんは、そう呟いた。




「5日後・・・??」



「5日後の8日。この村を、出る」






頭が、真っ白になった。





“・・・だけんさ、お祭り一緒行こうよ。”
イズの笑顔が、頭の中でフラッシュバックする。



お祭りがあるのは9日。




・・・つまり。







< 26 / 59 >

この作品をシェア

pagetop