もしも、僕らが
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布団の中は暑くて。
俺は思いっきり、かぶっていた布団を足で蹴った。
背中には、びっしょりと汗をかいていた。
隣を見る。
隣では、双子の弟、蒼(アオ)とそらが寝ている。
この暑い中、2人は肌をくっつき合わせて寝ていた。
俺は、起き上がってその場にあぐらをかいた。
一度、大きく深呼吸をする。
・・・眠れない。
さっきから、イズの顔が脳裏にこびりついて離れない。
彼女と離れることになるなんて、思いもしなかった。
多分、一度この村を出れば。
一生、ここに帰ってきて住むことはないだろう。
そのくらいに、不便な村なんだ。
人間、一度便利なものをつかえば、それは手放せなくなる。