もしも、僕らが
「・・・っ」
頭がパンクしそうだった。
喉がからからに渇いていることに気がついて。
俺は立ち上がる。
そして、炊事場に向かおうとした。
炊事場に向かう途中、玄関から何か、
音がした気がした。
・・・源五郎の声だ。
さっきのような遠吠えではない。
・・・誰か、親しい人が傍にいて。
そして、甘えてる声。
・・・こんな真夜中に、誰だろ。
俺は、不思議に思いながら、玄関に向かった。
玄関のドアを開ける。
目の前には、1人、誰かが座っていた。
いつか、母さんが父さんに、
作って欲しいとねだった長いすだ。
その上に、誰かが座っている。