もしも、僕らが
恐いか。
そう聞かれれば、否定は出来ない。
そりゃ、俺はこの、田舎村以外知らないんだ。
恐くないわけがない。
「期待は、あるか」
期待はあるか。
そう聞かれれば、ないとは言い切れない。
これから俺を、何が待ち受けているのか。
少しドキドキするし。
・・・でも、それ以上に。
「・・・・・・俺、この村から出たくない」
父さんの言葉を無視して。
そう呟く。
小さな子どもをなだめるような手つきで、父さんは俺の頭を撫でた。
そして、優しく微笑む。
「お前、身長、今何センチ??」
「・・・159」
「ほぉ。俺がお前くらいの頃は、まだ、155くらいやった。お前は成長が早いな」
「早くない。
だって、公平は169だし」
「公平くんかぁ。
まぁ、成長期は人それぞれだけん。
お前も直ぐに、公平くんを抜くくらい、大きくなれる」