もしも、僕らが
父さんの身長は、178センチだと、いつか聞いたことがある。
公平は多分、抜けない。
どんどん俺をおいて、伸びてしまっているから。
でも、父さんは越したい。
いつか、この大きな背中を越したい。
「・・・俺、そろそろ寝るから」
その場にいるのが何故か、いたたまれなくなって。
俺は立ち上がった。
源五郎が淋しそうに、キューンと鳴く。
「・・・のう、郁」
「・・・え??」
父さんに声をかけられて。
俺は父さんを見た。
何か言いたげな表情で、父さんは俺を見ていて。
少し、口を開きかけた。