もしも、僕らが




父さんの身長は、178センチだと、いつか聞いたことがある。



公平は多分、抜けない。

どんどん俺をおいて、伸びてしまっているから。



でも、父さんは越したい。



いつか、この大きな背中を越したい。








「・・・俺、そろそろ寝るから」









その場にいるのが何故か、いたたまれなくなって。

俺は立ち上がった。


源五郎が淋しそうに、キューンと鳴く。






「・・・のう、郁」



「・・・え??」






父さんに声をかけられて。

俺は父さんを見た。



何か言いたげな表情で、父さんは俺を見ていて。



少し、口を開きかけた。





< 34 / 59 >

この作品をシェア

pagetop