もしも、僕らが
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「いーくっ♪」
声がして。
急に目の前に、公平が飛び出してきた。
手綱を思いっきり引っ張って、俺の前を歩いていた源五郎が、びくりとする。
「なん??源五郎と散歩しよんの??」
「ん」
公平が、嬉しそうに源五郎の頭を撫でた。
源五郎がそれ以上に嬉しそうに鳴く。
源五郎は人懐っこい。
それに公平は、大の動物好きで。
源五郎を小さい頃から可愛がってくれていた。
本当は自分の家に犬を飼いたいらしいのだけれど、公平の妹が動物アレルギーなので。
それは、出来ない。
「おーっ☆ほんと可愛いよなぁ☆
家に持って帰りたいわぁ」