もしも、僕らが






バスがだんだんと近づいてきていた。




・・・本当に、お別れなんだ。


胸が、苦しい。

バスが俺達の目の前に来て。止まった。



「皆さん、本当にお世話になりました。

・・・ありがとうございました」




母さんが頭を下げて。
父さんや俺や、妹達も下げた。


村の人々もそれに返すように、頭を下げる。




バスの、ドアが開いた。

母さんが足元においてあった荷物を持って。


一番下の妹と一緒にバスに乗り込む。



大きな家具は、先に自動車で運んでしまっていた。



今度は父さんも乗り込んだ。

弟2人が乗り込む。


わんわんと泣きながら、小夏も乗り込んだ。




・・・そして、俺。








「・・・またな」












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