もしも、僕らが
公平が、ぼそりと呟く。
俺は、顔を俯かせて。
それから頷いた。
・・・イズは来なかった。
しょうがない。
俺はあいつを傷つけたんだ。
そのくせに、来て欲しいなんてわがままは言えない。
俺はバスに乗り込もうと、一歩足を踏み出した。
「・・・待ってよ!!!!!」
大声が響いて。俺は立ち止まる。
・・・まさか。
そして、声のした方向を見た。
イズが、走ってこちらに向かってきていた。
「・・・イズ」
予想外の展開に、俺は呟く。
彼女はその俊足で走ってきて。
俺の前で止まった。
荒い呼吸を、何度も繰り返す。