もしも、僕らが
「・・・イズ」
「忘れてもいいって言ったけど!!
構わんって言ったけど!!」
荒い呼吸のまま、彼女は大きな声で言った。
「忘れたら許さんから!!
・・・あたしは一生忘れんし!!
郁のこと、大好きだから!!
一生忘れんから!!
・・・だから、郁もあたしの事忘れんな!!
忘れたら、許さんけん!!」
そして、すっと右手を差し出す。
その右手のひらの上には・・・青い小さなクマの手作りキーホルダー。
もしかして・・・これ、俺に渡すために。
作ってくれたんか??
少し不恰好なクマを、俺はじっと見つめる。
嬉しさと寂しさで、いっぱいだった。
俺は、それをそっと、受け取る。