ice prince
一方怜くんはキャーキャー言ってる女子を無視して本を読んでいた。
「あのー怜くん…ちょっといいですか?」
私が廊下から声を掛けると、怜君はちらっとこっちを見てまた視線を本に戻した。
「えっ…りま…どうしよう?」
「教室入っちゃえ♪」
「え?!」
私はりまに手を引っ張られ怜くんのところまで来てしまった。
「怜くん、この子が話しあるから聞いてあげてー♪」
そしてりまは私を怜くんの目の前に差し出す。
「えと…昨日、髪ちぎらずにキレイに解いてくれてありがと…」
すると怜くんは
「ん」と言って本を読み続けていた。
え…
どうすればいい??
りまに視線を送るけど首を傾げられた。
どうしよ。
「ごめんなー怜、昔からこんな奴やねん。」
いきなり声がしたかと思うとその声の主は私の肩をぽんぽんと叩いた。
「秋。昔からって…お前とそんな昔からだちじゃなかっただろ。」
「なんやて?!中学からもうラブラブで仲良しやったやん」
そういって秋くんは怜くんに抱きついた。
「暑苦しい。離れろ、秋。」
怜くんがとても鬱陶しそうに言う。