ice prince
番外編②
愛
「あいかせんせえ~さようならあ!!!」
「はーい、さようなら。また明日ね」
私は本棚の整理をしながら手を振る。
ふぅと息を吐きながら立ち上がり
部屋を見回す。
小さめの黒板には童謡の歌詞が
後ろの壁には動物たちのイラストが
棚には小さめのはさみやのり、ねんどが
夕日に照らされ染まっていた。
怜と出会ってから8年の歳月が流れていた。
私はあれから高校、大学を卒業し
幼稚園教諭になって2年が経っていた。
私は今年少組の担任をしている。
小さい園児達はここで3年間いろんなことを学び
大きく大きく成長する。
入園したときは着替えすら出来なかったのに
卒園するころになると字を書けたり
いろんなことを習得している。
私は昔からこの職に憧れていたから
幼稚園教諭になれてよかったと思う。