ice prince
家に帰って一息つかずにメイクをし
着替えをする。
後ろ姿も何度も何度も確認し
ケータイを何度も開けたり閉じたりする。
そして約束の時間になると
聞きなれた着メロが鳴り響く
「うん、お疲れ様。もう着いたの??
うん…うん。じゃあ、下に降りるから。
うん。待ってて」
電話を切り駆け足でマンションの下に降りる。
私の大好きな人は車に体重をかけて煙草を吸っていた。
「煙草。体によくないよ」
彼から煙草を取り上げ、火を消す。
「…ああ。ほら、車に乗って。行こうか」
車に乗り込むと私のかぎなれた大好きな匂い。