ice prince
挨拶②
あれから数週間後
私達は怜のお母さんが住んでいるという街にきた。
海のそばにある街で
とてもきれいなところだった。
そして…一軒の家の前に立つ。
どこにでもありそうな可愛らしい一軒家。
表札には牧野とある。
お母さんの旧姓は吉平。
違う人が住んでしまったのだろうか。
「一応、聞いてみるか。」
怜は少し震える手でインターホンを鳴らした。
「はぁーい」
ドアから出てきたのは優しそうな男の人。
「…どうかしましたか??」
「あの…俺の母親を探していて。名前は吉平京香といいます。
彼女がどこにいるか知っていませんか??」
「……そうか。君が、かぁ。」
「「??」」
男の人は意味深な言葉を呟くと少し黙った。
「ちょっと家に上がってくれないかな??話をしよう。」
私達は戸惑いながら部屋に入った。