ice prince
怜のお母さんが話し終わってから数分
ずっと怜は黙りっぱなし。
怜のお母さんも話をしないから
ずっと聞こえるのは部屋にある時計の音だけ。
そして…また数分後
沈黙の空気を破ったのは
怜のお母さんだった。
「ねぇ、真菜はどうしてる??元気??」
「……」
怜のお母さんが問いかけても
怜はずっと黙ったまま口を開ける気配もない。
怜のお母さんを見ると
目が合い、悲しそうな顔で微笑んでいた。
「俺は…」
ずっと黙り込んでいた怜が意を決したように
顔を上げた。
「俺は気づいていました。
貴方と父が離婚した原因が父の暴力であること。」