ice prince
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視線を本から廊下に移すと
そこにいたのは昨日のあの人。
昨日私の髪を綺麗に解いてくれた、あの人だった。
私があっと声を上げると彼もこちらをみて少し驚いた顔をしたが
直ぐに真顔に戻り歩いていった。
私の友達の話によると彼は氷の王子様。
一番近くに居る男の子としかあまり話さないという。
昨日の話を友達にすると、お礼に行かなきゃと言われお礼に行くが……無視。
その代わり彼と一番仲のいい男の子と仲良くなった。
彼は私達の電話の番号を教えるととてもよろこんでいた。
昼休みにご飯を食べていると氷の王子様がやってきた。
正確に言えば王子様の仲のいい友達(夏)が氷の王子様を連れてやってきた。
夏は明るい性格で、たっぷり大騒ぎした後王子様と帰って行った。
平和な日常を繰り返す中で、私と氷の王子様との距離は縮まってくる。
氷の王子様は前と比べるとよく話すようになった。
これは私にとってとても嬉しい事だった。
もう1つ嬉しい知らせが。
私の友達と夏が付き合うようになった。
4人で遊ぶことはしょっちゅうあった。
私は次第に…
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