ice prince
シンと静まり返る部屋の中。
部屋には外からの音が少し入ってくるくらい。
怜くんは本を読んでいるように見えたが、
その視線はどこか違うところを見ていた。
「あ」
だった。忘れてた。
「りまたち…どうしよう」
時計を見たらもう10時30分を過ぎていた。
やば…
「大丈夫」
私がどうしようかと焦っていると
怜くんがいつもの落ち着いた声で言う。
「電話したから。どうせあの状況だったらいけなかっただろ?」
ドキ…
怜くんが顔を上げた瞬間思い切り目が合った。
それだけで心臓がバクバク言う。
なんで?
もぅ…怜くんに聞こえちゃいそうだよ…
怜くんは本を片手にお茶を飲んでいる。
あ…
怜くんの手…好きだなぁ…
なんか、キレイ…
ん…好き?
私、怜くんのことが好き?
まさかね…
その後怜くんは私の家に送ってくれて解散…となった。