ice prince
「何してんの」
私が靴箱のところでごそごそやっているのに気づいたのか怜くんが近寄って来た。
「別に何もないよ?」
「そっか」
良かった…
怜くんが近づいてきた頃には片付け終ってたから怜くんにはばれずにすんだ。
「おい」
先に行ったと思っていた怜くんが、気が付けば私の目の前に立っていた。
「どうしたの?」
「教室…途中まで一緒行くか?」
突然のお誘い。
お誘いって程でもないけど…
私は怜くんからそんな事を言って貰えてとても嬉しくて舞い上がっていた。
「ほら、行くぞ」
怜くんは浮かれている私を横目で見ながら歩いていった。
「まって…」
パタパタと怜くんの背中に向かって走る。
逃げるように走る。
後ろからコソコソ聞こえる
非難の声から逃げるように。。。
「じゃーまたね」
私はそう言って教室の中へ入る。
私の机を見るとそこにあったのは便の中にいけてある菊の花。
そして机の上に一枚の紙がおいてあった。