ice prince
ばしっ
「…ったぁ。」
姉に頬を思い切り叩かれた。
「もう…あんたって子は!…心配したんだからね?」
姉は怒ったと思ったら今度は泣き出した。
「ごめん。」
「うん。もう今度こんな心配かけたら許さないんだから。ね?ゆう。」
くるっと振り返って姉は優喜さんに問いかける。
別に優喜さんにも言わなくたっていいじゃん。
優喜さんはドアに寄りかかって腕を組んでいた。
「あぁ。美華が電話で泣いてるから慌てて来たら
愛華ちゃんがあんな状態だったからね。もう心配かけるなよ?」
「はい。ごめんなさい。」
「うん。いい子。」
優喜さんはこっちに歩いてきて
私の頭をなでなでする。