初恋アンドロイド
「露衣~遅いじゃないっ、待ちくたびれたわぁ」

「ごめんなさい…」

露衣君が目を逸らしたのを、露衣君のお母さんは見逃さなかった。

「―…どこへ行っていたの??まさか…あなたまだ……」

「……っ」


露衣君はお母さんの鋭い目線に捕らえられたように、体が強張った。


「…………」

黙りっぱなしの露衣君を、私は見ていられなかった。


「す、すいません!!私が買い物に振り回しちゃって…」

私はとっさに出任せを言った。

露衣君は驚いたように私の目を見た。

私はにっこり笑って「ね?」と呟いた。

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