初恋アンドロイド


その人の第一印象は

社交的な明るい人だった。


「じゃあ、綾香は客席の方でゆっくりして行ってね」

「うん、ありがと」

そこで私は梨花と別れ

一人ぽつんとドリンク片手に立っていた。


「綾香ちゃん」

背中をポンと叩かれ振り返ると

「あ、さっきのRU-PUの方の…」

「あぁ、ごめん。名前言って無かったね。圭っていうんだ」

「どうも……」


何を話せば良いのか分からずに

少しの沈黙が訪れた時、電気がだんだん消えてステージがライトアップされた。


< 74 / 102 >

この作品をシェア

pagetop