甘甘王子の秘密〜オモチャ会社の俺様社長〜アイドルやホストイマス
「何?大声なんて出して」



矢吹先輩の低い声にあたしは、一瞬怯む。



「あの……なんで誰も居ないんですか?海に」



「お前と二人になるために、プライベートビーチに来たからだけど?」



いつの間にか矢吹先輩は、あたしの肩を抱いていた。その手を振り払っても、またいつの間にか矢吹先輩に抱かれてしまう。



赤くなったあたしの頬を見て矢吹先輩は、プッと吹いたのだ。



「クックッ、バカみてーに赤いな?顔……プライベートビーチなのは、本当だけどお前のためじゃねーから」



そう……なんだ。



一瞬でもあたしは、ドキッとしたのに、矢吹先輩は、ちらっと赤い舌を見せて笑った。



悔しくて、あたしは、矢吹先輩目掛けて海の水をぶっかける。



バシャバシャ



「っ……お前何してんの?」



じりじりとあたしに近付いて来る。



来ないでよ!!



「後で、俺の背中洗ってもらうからな!」



矢吹先輩は、あたしを人差し指で差しながら言うと、ちょうど車で現れたNEWの元へ行ってしまった。



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