キス ミー
 
 
「先輩、こんにちは」


挨拶だけして、スタスタと逃げるように歩いた。


だって、この人と話してたら女子の視線が痛い。



「待ってよ~。今日は優ちゃんのタメに会いに来たんだから♪」


嬉しいよ。

うん、嬉しい先輩。


だけど今は女子からの視線をさらに鋭くする言葉でしかない。



「わあ、それはどうもありがとうございまーす」

「うわっ、超棒読み!」


体全身でオーバーリアクションをする先輩。


こんな先輩だけど、私の初恋の人。

小学生のとき、通学路が一緒で一目惚れ。
 
 
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