俺が彼女を好きな理由 【短】
次の日の放課後。
「そういえば、記念日ってなんの事だったんだ?」
独り言を呟く俺。
何だか分からないけどアイツは機嫌が良くなったし…まぁいいか。
ユカの教室に向かうと、またユカの声が廊下に響いていた。
教室からアオちゃんが顔を出して、俺の顔を見るなり走って来た。
「タク君!昨日はゴメンね!」
アオちゃんは申し訳なさそうな表情をする。
「昨日の記念日の事…あれ私の勘違いで、記念日じゃなくて…」
なんだ?
「ただ、ユカにとって大事な日だったんだって」
「大事な日…?」
「うん、あのね…――」
アオちゃんは笑いながら、それがユカにとって何の日か教えてくれた。