鬼の花嫁

「まったくまいっちまうぜ。作物は水不足でどんどん枯れてきちまってる・・・
 いい加減雨降ってくんねーとヤバいよな~。」

そう、ここ何日か全く雨が降らない。
作物にとって今は大事な時期だ。
それなのに今日も快晴…
このぶんじゃ明日も雨は降りそうにない。

「早く雨降ふって欲しいですね。」

「だなっ。」

そう言ってにかっと笑う。
この人の笑顔が私は大好きだ。


「・・・白洞山の鬼に頼めば雨降らせてくれるかもな。」

「鬼・・・ですか?」

「お前しらねーのか???あの山にゃー鬼が住んでんのさ。」

「聞いたことはありますが・・・佐久助殿は信じておられるのですか?」

「あったりめーよぉっ!
 家のジジイがあの山の鬼とあったことあるって言ってたぜ。」

「それ、本当ですか?」

「さぁな。ジジイももう歳だし、ボケてんのかもしんねー。
 ・・・・でもな、俺の親父はジジイの話信じてるんだぜ。」

「そうなんですか・・・」

「あぁ、・・・・詳しく聞きてぇか?」


佐久助殿ともっと一緒にいたかったから
わたしはもちろん

「はい!」

と、答えた。







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