鬼の花嫁
急に上からかけられた言葉に
少女はびっくりして
声が出せなかった。
「ここで何をしている」
「あ…あの……子狐をおいかけてたら
道わかんなくなっちゃって帰れなく…」
そこまで言って少女は
堪えきれなくなり
泣き出してしまった。
「…お家に帰りたいよぉ」
「家はどこだ?」
「雲霞の村…」
突然、ぐぅ………
…少女のお腹から
音がもれた…
「腹がへってるのか」
恥ずかしさに赤くなって
少女は俯いた
「家に来て何か食うか?」
「…いーの?」
「あぁ。…ついてこい。」