鬼の花嫁


帰り道、2人で家に向かって歩く。

私の家は若干村の中心から離れていて暗いので
夜道は特にさびしく、怖い。
私が暗い所が怖いのを知っていて
尚太郎はいつも帰りが遅くなると送ってくれていた。

すぐ近くに山が住むといわれる白洞山がみえる。

「!!・・・あれは!?」

「えっ??・・・あ・・・」

その白洞山に入っていく小道に明かりが見える。
提灯の明かりが・・・歩いていく人物を照らす。
村長と思われる人と・・・籠を担ぐ者。
中に入っているのはきっと――――――


――――梅子殿



「あれ~、白洞山なんかになんで村長はいってくんだろ・・・」

「・・・さぁ。」


しかたないことだ。これは。
しかたないことなんだ。
みんなを救うため。
飢饉を逃れるため。
梅子殿は名誉なことを任されたんだ。
だから………








――――――さよなら梅子殿――――――







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