鬼の花嫁
第参話:鬼雨
それから三日三晩雨は降り続き収まる事を知らなかった。
干上がっていた川もこの大雨で反乱しようとしていた。
分厚い雲は動くことを知らないのか、その上にあるはずの太陽は覆い尽くされ
本当にそこにその存在があるのか、疑ってしまうほど見事な黒い雲に支配された空。
あれだけ雨を願い、祈り、待ちわびていた村人たちもさすがにここまで降られては
逆に迷惑・・・
というか迷惑どころの話ではなくなっていた。
「川の決壊」
「作物への被害」
「土砂崩れ」
などなど、晴れによる弊害も恐ろしいものだが
雨による弊害もまた恐ろしいものである。
そこで村人が願うこと。
“この大雨を止めてほしい”
そして2人目の犠牲者を生みだすことになる。