鬼の花嫁
お菊殿と佐久助殿は、そう。
“お似合い”だった。
だから私が入り込む隙間も
その余地もないと知っていた
ありえないことだと
思ってはいけないことも
…すべて
わかっていた…
だから佐久助殿を思うこの気持ちは捨てなければならない
そう思っているのに…
「はい、美鈴ちゃん」
「あっありがとうございます」
いろいろ考えていたらお菊殿がお茶を持ってきてくれた。
「難しそうな顔して…何考えてたのかしら?」
「あ、いえ大したことじゃないんです!
…この前まで晴れ過ぎていて困っていたのに、
今度は雨が降って困るなるなんて…と思いまして、」
「そうねぇ、最近の天気は極端すぎるものね」
「ただいま~」