鬼の花嫁

佐久助殿が家の外から私を呼んだ。

「……本当に村を…でるのですか?」

「………ああ。
明日の明け方とともに村からでる。」


「佐久助殿がいなくなったら寂しくなります…」

「はははっ!!
俺もおまえの面倒みらんなくなんのは寂しいなぁ〜、俺がいなくてもちゃんと仕事さぼんなよっ!」

「わっ、わかってますよ!!」

わっはっはっ
と豪快に笑いながらわしわしと私の頭をなでる佐久助殿。
もう会えないかもしれないと思うと涙で目の前がかすむ。


「なっ泣くなよ!
俺だって辛いんだからよ!
おまえには笑ってて欲しいんだ。」


「…うっ………ん……。」


「それにほら、人生長いんだ!
またどっかで会おうぜ!!」


「……はい…」

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