鬼の花嫁
「なっ………それ本当なの?」
「うん…私村長が話してるの、聞いちゃったんだ……。」
「………。」
「……私、お菊殿を助けたいよ…。」
「…俺も、お菊殿には世話になったし、できることなら助けたい。」
「明日の夜明け前、佐久助殿がお菊殿をつれてこの村をでるんだって。」
「……。」
「最後の挨拶……しに行かない?」
「うん…………でも村から逃げることは掟に反している…見つかったら俺達もただじゃすまないよ。」
「大丈夫だよ!夜明け前なら見つからないはず!!」
「うーん…」
「ねぇ………いいでしょ?」
「………わかった。」
「じゃぁ明日の夜明け前に見送りに行こう?」
「…うん。」
こうして私達は佐久助殿達を見送りに行くことを決めた。