鬼の花嫁
薄暗い中、霧と道のぬかるみで、
早く歩けなかったが
なんとか目的地である村の外れの森に
着くことができた。
もう、村から出てたらどうしよう…
「まだ来てないみたいだね。」
「えっ?…………なんでわかるの?」
「だって、足跡がない。」
「あ…ほんとだ。
……尚太郎って人の考えがわかるの?」
「えっ??…ぷっ、あははっ」
「なんで笑うのよ!?」
「人が考えてることなんてわからないよ!
でも、美鈴ちゃんの考えてることならだいたいわかるよ!」
「なんで?」
「美鈴ちゃんって顔にでやすいし」
「なっ………」
「それに…」
「?…なに?」
少し間をおいて尚太郎ははっきり言った。
「美鈴ちゃんのこと好きだし」
「は?」
「あ、佐久助殿たち来たよ!」