鬼の花嫁



「だめだっ!やめろっ!!
美鈴ちゃんを、生贄になんて絶対許さない!!!」


「黙れ!この小童がっ!!」


「ぐっ」



尚太郎を抑えつけていた男が彼の顔を殴った。



「やめて!!」


「煩さい!!!!」


「まぁ、そう怒鳴らずとも良い。
…この娘には責任を取ってもらうのだし。
この小童の罰は後で決める。」


「はい。」



「では、とりあえずこの娘に鬼隠しの準備をさせよ。
鬼だって泥だらけの娘は嫌がるはずだろうからな。」



ほっほっほ と、笑いながら村長は言った。








私は奈落の底に突き落とされた気分だった。

これから鬼隠しに・・・・・生贄にされるんだと考えたら
震えが止まらなかった。








< 61 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop