鬼の花嫁
それから、村長の「連れて行け」という命令によって
私は村長の家の奥のある部屋に連れて行かれた。
少しして村長の奥さんが来て、
そのあとに奥さんの妹さんが来て私を風呂に入れ、
真っ白な着物を私に着せた。
それから化粧を施され、髪を結いあげられた。
そんな私の姿は、『生贄』というより『鬼の花嫁』であった。
「…梅子殿の時もこういう風だったのですか?」
私は思い切って聞いてみた。
「おや、あんた梅子のこと知ってたのかい?
どうやって知ったのかは知らないけど子供がそんなことに首突っ込むからこういうことになるんだよ。
馬鹿な子だねぇ。」
「・・・・。」
「まぁ、あたいらにとっちゃ生贄がお菊でもお前でもどっちでもいいからねぇ。
鬼にとっては知らないけど。
若い娘が好きな好色な鬼ならお前でも大丈夫さね。」
村長の奥さんのその言葉に鳥肌が立った。