鬼の花嫁
ぽつり
残された2人はしばらく沈黙していた。
「あ、あの…」
その沈黙を破ったのは美鈴だった。
「なによっ!
……あんたのせいで…
兄者に怒られたなり!!」
突然、緋昏の妹は怒りだした。
「ひっ…」
今まで人間のようで、
かわいかった少女が、
どんどん醜い姿に変わっていった。
人間みたいな肌だったのに、
緋昏のような赤に染まり、
頭からは角が生えていた。
美鈴は恐怖で動けずにいた。
あっという間に人々から恐れられる
『鬼』の姿にかわった。
「あんたなんか…
いなくなればいいなり。」
「…え?」
「そうだ。でてけ…
出てけ!!」
恐ろしい形相で美鈴に近寄った。