鬼の花嫁
あまりの恐ろしさに、
美鈴は外に向かって走った。
が、出入口のその先は…
---------崖
逃げ場なんてない…
美鈴が振り向くとすぐ後ろに、
鬼は立っていた。
「消えな。」
鬼はそう吐き捨てるように言うと、
美鈴の肩を両手で力いっぱい
突き飛ばした。
「きゃあああああぁあぁぁぁぁッ」
美鈴の甲高い声が辺り一帯に響いた。
「兄者には、あたいだけでいいなり。
兄者の隣はあたいの場所…
誰にも渡さない。」
誰に聞かすともなく鬼は呟いた。