鬼の花嫁
第弐話:飢饉
あれから10年がたち
美鈴は15歳になっていた。
両親には、はやく許嫁と結婚しろ・
といわれる毎日。
うんざりだ。
許嫁なんかと結婚するのは嫌だった。
私は同じ村に好きな人がいたから。
その人でなければ結婚なんて
絶対したくなかった。
とは言ったものの・・・・
相手にすでに妻はいるし
結婚なんて夢は叶いそうもなかった。
「はぁ・・・
やっぱむりなのかなぁ・・・・」
「おっ!おはよぉ!今日も晴れだなっ!」
「わぁっ!!おっ、おはようございますっっ!!!」
考えていた人が急に目の前に出てきたから
美鈴はうろたえてしまった。
「なんだぁ、暗い顔してんなぁ!元気出せよっ!!」
「はぃ・・・・」
あんたのせいだよ!!!!
・・・なんてことは
口が裂けても言えない。
「まぁ、ここんとこずっと晴れってからな・・・
元気もなくなるよな~あはは。」
「わっ笑い事じゃないですよっ!!!佐久助殿っ!」
半田 佐久助
そう、この人こそが私の思い人・・・