診ゑ泣意
12
雨降りそうだ
誰かがそう呟いて
私の顔に雨が落ちた
ポツリポツリ
早歩きで進む人たちに
追いつきたくない私は
右足を引きずりながら
ふらふら歩いていった
ポツリポツリ
雨足は強くなるばかり
曇った空は灰色で君の
影を隠して見えなくした
街灯の光は薄い影を
作り始める
街灯の影は嘘つきだ
私が願う答えも
彼が言う言葉も
見せようとはしないから