診ゑ泣意
17

この愛は本物だった、
と言える君は愚かだ
無様だ

君が流していた涙も
笑顔も眠った顔も
本物ではなかった

君は、いつもそのまま
自分を隠さず壁を無くし
ただ本能的に生きていた

愛してる

そんな言葉は要らなかった
嘘を吐かれるのは嫌だった

何度も泣いた
何度も鳴いた
ただ、君のためだけに

バカらしくなったのは
いつからだっただろう

君の側に居る意味は
何なのだろう、と考え
捨て去ろうとしたのは
数え切れないくらい

僕がいなくても
君は新しい子がいる
今も、ホラ
君は抱いているだろう?

気付かない訳がない
君の言葉の端に
気付かない訳がないんだよ

それほどまでに
君を愛していた
(過去形)から。
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